-
小麦粉不使用(グルテンフリー)
粉類については、小麦粉や片栗粉は使用しておりません。
※チーズケーキにはコーンスターチ、そばプリンには葛食感のゼリーを使用しています。 -
砂糖は体に優しい「てんさい糖」を使用しております。
-
蕎麦スイーツと言いながら蕎麦の風味を全く感じないスイーツばかりで物足りないと感じ、蕎麦の風味に徹底してこだわりました。
そば粉がスイーツになるまで〜対談インタビュー〜
料理教室講師、パティシエを経て、フレンチ、イタリアンの厨房で経験を積み、独立。
書籍、雑誌やWEBへのレシピ提供、テレビ・ラジオ出演など幅広く活動中。
「あんこのおやつ」(誠文堂新光社)、
「小麦粉なしでつくる たっぷりクリームの魅惑のおやつ」(日東書院本社)など著書多数。
福井県産ソバの美味しさを全国に伝えたいと日々努力しています。行動範囲が広く、おいしいお蕎麦屋さん情報が入ると分け隔てなく飛び回るハングリー精神のカタマリです。
なぜそば粉をスイーツに?
そば粉のスイーツを作ろうと思ったのは今回が初めてではありません。
ずっと前から取り組んでおりましたが、「そば粉はグルテンを含まない食材」ということが足を引っ張ってしまうのか、なかなか良い提案にたどり着きませんでした。
当時はよく「どのようなそば粉のスイーツを求めていますか?」というような質問をされましたが、私自身、スイーツに関しては素人ですので、そば粉を使ったスイーツに関する想像力など無いに等しく、依頼はするものの形にならないという状況でした。
その中で今回「チーズケーキ」「ロールケーキ」「プリン」に絞ったのは、スイーツ界ではトップ3に入る人気商品であり、そばスイーツでグルテンフリーのものが無かったため、ぜひ挑戦してみたいという想いがあったからです。
この度、森崎繭香さんに開発のお手伝いをお願いしたのは、以前からそば粉に興味を持たれており、実際に福井までお越しいただいてそば粉が挽ける工程をご覧いただいたという経緯があります。
そば粉についても何度もお話をさせていただきましたし、実際にご覧いただいた方がお作りになるスイーツはきっと素材の味わいや香りを大切に、僕たちの想いを形にしてくださるだろうという期待と信頼を寄せておりました。(加賀)
苦労したところは?
とにかくそばの風味、そばの味がちゃんとするスイーツを作りたい。ということにこだわって何度も試作していただきましたが、自分にスイーツの知識がないために改善したい点を上手くお伝えできなかったことや味の評価が上手くできなかったことに関してとても苦労しました。
しかし、そんな素人発言にも森崎さんは耳を傾けてくださり細かく意見を拾っていただいたおかげでいいものができたと自負しております。(加賀)
今回、そば粉を使ったスイーツの制作の依頼を受けた際、すでにご希望のメニューは決まっており、「チーズケーキ」「ロールケーキ」「プリン」の3品でした。
正直なところ、そば粉のおいしさを生かしたスイーツを作るのであれば、そば粉を小麦粉の代替として利用するなかで、いかに風味や食感をよくしていくか、というところで勝負したほうがいいのでは?という気持ちがあり、そのようにお伝えしたのです。
一般的なパウンドケーキやクッキー、マドレーヌといった粉ものの焼菓子であれば、そば粉の風味を生かしたお菓子が作れるイメージがありました。
ただ、老若男女に好まれ、普段のおやつにも、ちょっとした贈り物にも適した「チーズケーキ」「ロールケーキ」「プリン」の3品へこだわりも理解できたため、まずはやってみよう、と試作をスタートしました。
といっても、一般的なチーズケーキに使われる粉の量は微々たるものですし、プリンにいたっては粉など使いませんので、そば粉スイーツとして十分な味と風味を出すには苦労しました。(森崎)
特にこだわったポイント
チーズケーキはボトム、クリームチーズ生地、パルメザンチーズクランブルの3層構造になっております。ボトムの部分を、いわゆる「そばぼうろ」のような、そばの風味を強く感じるクッキー生地にしました。
ザクザクとした食感と、そばの風味がポイントです。
クリームチーズ生地にもそば粉を使っていますが、それだけではそば粉スイーツとしては味と風味の点で物足りなかったので、パルメザンチーズクランブルをのせて焼くことにしました。
パルメザンチーズとそば粉を混ぜ合わせたクランブルがそば粉の味と風味、ザクザクとした食感をプラス。お酒のおつまみにもなるような味わいに仕上がったと思っています。
ロールケーキは、そば粉スポンジでそばカスタードクリームを巻き込んでおり、トッピングにそば茶をかける構造になっています。
そば粉スポンジ部分は、一般的に小麦粉で作るところをそば粉に置き換えています。
そば粉の風味はしっかり出しつつ、ふんわりとした食感に仕上げたかったのですが、それを両立させるのはなかなか難しく…。
そば粉の種類や挽き方によって仕上がりがまったく違うため、その都度カガセイフンさんに相談してそば粉を挽いてもらい、何度も試作を繰り返しました。スポンジだけを食べても十分においしいと感じられるものができたと思っています。
また、そば粉を使った濃厚なカスタードクリームに泡立てた生クリームを混ぜ込んだクリームは、そば粉スポンジのやさしい味わいとふんわりとした食感を邪魔しない味わいに仕上げました。ほんの少しのラム酒もポイントになっているかと思います。
トッピングにそば茶をふると、そばの香ばしさとカリカリとした食感がアクセントになり、さらにおいしくいただけると思います。
プリンは一番苦労しました。そもそも粉を使わないお菓子なので、くず粉のような凝固剤としてそば粉を使う方法、濃く煮出したそば液を使う方法など、いろいろと試しました。
しっかりしたかための食感よりも、ふんわりと軽くなめらかな食感をお好みでしたので、卵黄でとろみをつけた濃く煮出したそば液に泡立てた生クリームを合わせるムースタイプに仕上げました。
また、試食会のなかで「そばスイーツなのでもっと和によせて、おもちが入っていてもいいかも。」というアイディアをいただき、葛食感のゼリーをしのばせることになりました。
こちらも、トッピングにそば茶をふると、そばの香ばしさとカリカリとした食感がアクセントになり、さらにおいしくいただけると思います。
なぜグルテンフリー?
身体に優しい無農薬栽培、かつ腸内環境を整えて身体の不調をなくすと言われるグルテンフリーのスイーツは、お肌やダイエットに敏感なヘルシー志向の若い方から、生活習慣病など健康を気にする高齢の方まで、どなたにもフィット。
ご自宅用はもちろん、手土産にもおすすめです。小麦粉が身体に合わない方も100%グルテンフリーなのでご安心してお求めいただけます。(森崎)
他のそば粉を使ったスイーツとの比較して何が良いのか?
粉類はそば粉オンリーなので、そば粉の風味をしっかり感じられます。
それぞれのスイーツにあわせてそば粉をセレクトし、食感と風味のバランスが良くなるようスイーツ専用にそば粉を挽いています。(加賀)
お客様にメッセージを
こだわりすぎて試作だけで2年も掛けてしまった自信作です。ぜひお試しください。